未来屋書店・アシーネの一部店舗において、生きる本大賞フェアを12月末頃より順次開始し、受賞作品・ノミネート作品を販売いたします。
2023年に創設した生きる本大賞は、広義のノンフィクション・エッセイの書籍を対象に、必要としている方の生きる助けになるような、そんな本を手に取って欲しいという想いから生まれた”生きるに寄り添う本”に贈る賞です。
「第1回生きる本大賞(いきるぼんたいしょう)」大賞として土門蘭さんの『死ぬまで生きる日記』(生きのびるブックス)が選ばれました。
【選考者コメント】
——自身の中に抱えている「誰にも打ち明けられない気持ち」を分かち合える喜び、と同時に、
何とも言えない安らぎを感じたのだと思います。読み進めるたびに「うん、うん。」と共感し、
この本に出会えたことに感謝しながら読み終えました。私の中では「いつまでもお守りのように、
そばに置いておきたい本」です。
——この本には何度読んでも感情が高ぶり、涙が止まらない箇所がいくつもあります。
かつての自分の姿が重なりもう、どうしてよいのか分かりませんでした。
でも私はこの本に出逢えてよかったと思います。「必要としている人に届いてほしい」と強く、強く思います。
——今までどこにいても「ここにいること」に居心地の悪さを感じ、罪悪感を持ちながらも「ここではない」と
やり過ごし続けてきた気がしています。頁を捲る度に、そんな私自身もカウンセリングを受けているかのよう。
読書は自分と向き合うこと、とどこかで耳にした言葉を実感するような、痛いけれど心地良い体験でした。
■内容紹介
生きづらさを抱えるすべての人に。
「楽しい」や「嬉しい」、「おもしろい」といった感情はちゃんと味わえる。それなのに、「死にたい」と思うのはなぜだろう?
カウンセラーや周囲との対話を通して、ままならない自己を掘り進めた記録。
■著者プロフィール
1985年広島県生まれ。小説・短歌などの文芸作品や、インタビュー記事の執筆を行う。
著書に歌画集『100年後あなたもわたしもいない日に』(寺田マユミとの共著)、インタビュー集『経営者の孤独。』、小説『戦争と五人の女』、エッセイ『そもそも交換日記』(桜林直子との共著)がある。
■著者受賞コメント
本当のことを書きたい。それが誰かひとりにでも届いたならこんなに幸福なことはない。
そう思いながら書き続ける日々でした。
この度『死ぬまで生きる日記』が「生きる本大賞」に選ばれたと聞き、大変驚きました。そして選考コメントを読み、涙が出そうになりました。
第一回目の大賞に選んでいただいたこと、心から光栄に思います。
「自分は火星からやってきたスパイなのかもしれない」
そう思うことで生きづらさをやり過ごそうとしていた私にとって、書店は数少ない息のしやすい場所でした。
ここにはいろんな星がある。ひとりぼっちの宇宙人が築き上げた星。そんな本を手にするたび、生きていこうと励まされました。
書く時も読む時も、人はひとりです。だけど、孤独ではない。
改めてそう教えてくださった未来屋書店の皆様に、心より感謝を申し上げます。
“みんな”でいたくない“みんな”のために
“「LGBT」に分類して整理したら、終わりじゃない。
「わからない」と「わかる」、「マイノリティ」と「マジョリティ」を行き来しながら対話する、繊細で痛快なクィアの本。
ときに反抗的で、しなやかな態度は明日への希望に――。性、恋愛、結婚、家族、子孫、幸福、身体、未来――バラバラのままつながった壮大な「その他」たちが、すべての「普通」と「規範」を問い直す。”
「優生保護法」――
障害者が生まれることを防止し、女性が産むことを管理しようとした悪法が存在した時代、「母」はどのように生きたのか。
「ぼく」はどのようにして生まれたのか。
幸せだった瞬間も、悲しかった瞬間も、すべて。コーダである息子が未来に進むために描く、小さな家族の歴史。
あらゆるものの革命的生存を祈って、ライター高島鈴の初エッセイ集。
あなたに死なないでほしい。
家父長制、資本主義、天皇制に抗して、あらゆる生存のためになにができるのか、なにが言えるのか。金子文子やデヴィッド・グレーバーを参照軸に、アナーカ・フェミニストの立場からこのくにの歪みを抉り出す。脈打つ言葉は、きっと誰かの心臓と共鳴する。
2018年3月、滋賀・守山市野洲川の河川敷で、両手、両足、頭部を切断された体幹部だけの遺体が発見された。遺体は激しく腐敗しており、人間のものか動物のものかさえ判別が難しかったが、その後の捜査で、近所に住む58歳の女性のものと判明する。女性は20年以上前に夫と別居し、31歳の娘と二人暮らしで、進学校出身の娘は医学部合格を目指して9年間もの浪人生活を経験していた。警察は6月、死体遺棄容疑で娘を逮捕する。いったい二人の間に何があったのか―。司法記者出身のライターが、獄中の娘と交わした膨大な量の往復書簡をもとにつづる、渾身のノンフィクション。
原因不明の病に苦しむ人々を調査するべく世界各地を訪ね歩いた神経科医の著者は、病の背景にある実態と神経科学の最新理論をもとに心因性疾患の複雑さを考察し、土地や民族に固有の文化や社会が及ぼす影響を軽んじて西洋医学を偏重する精神医療の風潮や、安易に〈謎の病〉と報道することで人々の不安を煽るマスメディアに警鐘を鳴らす。オリヴァー・サックスの後継者として注目されるスザンヌ・オサリバンが不可解な数々の症例を巧みに綴った、2021年《英国王立協会科学図書賞》最終候補作。
【名称】 「第1回 生きる本大賞」(いきるぼんたいしょう)
【コンセプト】 多様な社会に対し”生きるに寄り添う”書籍を提案する書籍賞
【選考基準】直近1年間に発売された”生きるに寄り添う”、広義のノンフィクション・エッセイの書籍から選書。
選考委員が各2~3作品を候補として選出し、話し合いにより、大賞・ノミネート作を選定。
(選考期間:2022年9月~2023年8月)
【実施期間】2023年12月下旬~2月下旬※期間中は店頭にて大賞受賞作品の販売を行います。在庫がなくなり次第終了となる場合がございます。
■対象店舗
(茨城県) 未来屋書店下妻店、つくば店、土浦店、水戸内原店
(栃木県) 未来屋書店小山店、佐野新都市店、栃木店
(群馬県) 未来屋書店高崎店
(埼玉県) 未来屋書店上尾店、入間店、春日部店、川口店、北戸田店、羽生店、武蔵狭山店、レイクタウン店
(千葉県) アシーネ千葉長沼店、未来屋書店柏店、鎌ヶ谷店、鎌取店、北小金店、木更津店、木更津朝日店、新浦安店、新松戸店、津田沼店、銚子店、成田店、船橋店、ボンベルタ成田店、幕張店、幕張新都心店、マリンピア店、八千代緑が丘店
(東京都) 未来屋書店板橋店、品川シーサイド店、南砂店、多摩平の森店、日の出店、碑文谷店
(神奈川県) アシーネ金沢八景店、未来屋書店海老名店、相模原店、茅ケ崎中央店、天王町店、秦野店、大和鶴間店
(山梨県) 未来屋書店甲府昭和店
※改装・閉店・休業などの都合により、変更となる場合がございます。予めご了承ください。
■A4POP大賞ロゴ
■A4POP大賞選考コメント
■大賞ノミネート_カードサイズPOP
■大賞ノミネート_B6サイズPOP